2024/03/11 01:02

貴石をジュエリーに留める方法をフランス語で「Sertissage」と言います。
石留めの方法は数多くありますが、ここでは当店で扱うジュエリーを例に、現代使われている方法から過去の方法に遡って、幾つかご紹介いたします。


Serti Griffes(爪留め)


石留めと聞いてすぐに思い浮かぶのは、婚約指輪などに代表される「爪留め」ではないでしょうか。
台座から放射状に延びる4~8本程度の細い爪で石を握るように留めるため、全方向から光が入り、宝石の輝きをより美しく見せることができます。
現在で最も多用されている方法のひとつです。

下のリングとピアスには爪留めが使われていて、爪でしっかりと石を掴みながらも周囲から光を取り込み、石の色をとても綺麗に見ることが出来ます。






Serti Clos(覆輪留め)


薄い金属で石の外周を覆い、上部を内側に折り込んで石を留める方法で、大きめの石などをしっかり留めたい場合や、爪での引っ掛かりを避けたい場合等によく使われます。
また、覆輪部に装飾を施すことができ、宝石に雰囲気を与えることも出来ます。
「爪留め」の技術が発達する前は、この「覆輪留め」が主流だったようです。

下の3種のジュエリーでは、色石を留めるのに覆輪留めが使われています。
特にブラウンのクリスタルを囲む覆輪にはとても細かい切込み状の装飾が施され、雰囲気を与えています。精緻な仕事が伺えますね。






Serti à Grain(連留め)


複数のメレ石を連続して留めるのに使われる方法です。地金に無数の穴を開け、同時に地金から爪を起こし、メレ石を置いたら爪を石側に折って留めます。
上述のブルートパーズの周囲を囲むマーカサイトに「連留め」が採用されています。






この後はさらに古い年代の石留の方法になりますが、ここで一旦区切ります。
続きは「石留めとテクニック②」をどうぞご覧ください。