2024/03/11 01:35

「石留めとテクニック①」では、「Serti Griffes(爪留め)」「Serti Clos(覆輪留め)」「Serti à Grain(連留め)」について見てきました。
この記事はその続きとなります。



年代を遡るほど、石の側面だけでなく裏側も覆われたデザインが多くなってきます。 現在の覆輪留めの元となる留め方です。
裏側から光を通して宝石を輝かせる事が当時は難しかったため、ジュエリー職人は知恵を働かせ、石の台座と貴石のわずかな隙間に細かい金属片などを入れて、少しでも石が輝く様に工夫をしたそうです。
ジュエリー職人の、宝石への想いが伺えますね。
古いタイプの覆輪留めは、下のペンダントとピアスに使われています。








そして更に遡って15世紀頃になると、薄い板状の地金で貴石を覆う技術もまだ未熟なので、溶かして柔らかくなった粘土状のプラチナに、貴石をはめ込んでいく方法で石を止めていたそうです。
下のダイヤモンドがその方法で留められています。プラチナの中にダイヤモンドが埋め込まれているのがお分かりいただけるでしょうか。
とても古い方法で、中央には爪状のものも見え、石留めの発展の過程を見ることが出来ます。





いかがでしたか? こうして並べてみると、ジュエリー職人の技術向上の軌跡が見えてきて興味深いですね。
現在私たちが、宝石の美しさが最大限に引き出されたジュエリーを身に着けられるのも、昔から続く職人のたゆまぬ探求や努力の積み重ねに因るものだと、うかがい知ることが出来ますね。



ここまで読んでいただき、有難うございました。
それではつぎの記事でお会いしましょう。